ノンリコースとは
- ノンリコース(Non-Recourse)とは、日本語で「償還請求権なし」を意味します
- つまり、売掛先の支払い不能リスク(デフォルトリスク)は、ファクタリング会社が引き受けることになります
ノンリコース(Non-Recourse)とは、日本語で「償還請求権なし」を意味します。ファクタリングにおけるノンリコース契約とは、売却した売掛金が売掛先の倒産等により回収できなかった場合でも、利用企業が代わりに弁済する義務を負わない契約形態です。
つまり、売掛先の支払い不能リスク(デフォルトリスク)は、ファクタリング会社が引き受けることになります。利用企業にとっては、売掛金を売却した時点でリスクが移転するため、安心して資金調達ができる仕組みです。
ノンリコースとリコースの違い
- 売掛先が支払い不能 → ファクタリング会社が損失負担
- 利用企業に買い戻し義務なし
- 法的には「債権の売買」
- ただし規定の有無だけでなく実態で判断される(金融庁)
ノンリコース(償還請求権なし)
- 売掛先が支払い不能 → ファクタリング会社が損失負担
- 利用企業に買い戻し義務なし
- 法的には「債権の売買」
- 手数料はやや高め
- ただし規定の有無だけでなく実態で判断される(金融庁)
リコース(償還請求権あり)
- 売掛先が支払い不能 → 利用企業が弁済義務
- 利用企業に買い戻し義務あり
- 金融庁は貸金業に該当するおそれがあるとしています
- 手数料は低めの場合もあるが…
- 貸金業に当たる場合は登録が必要(無登録営業は刑事罰の対象)
🚨 重要
リコース(償還請求権あり)の契約は、法的には売掛金を担保にした貸付とみなされる可能性があります。貸金業登録のない業者がリコース契約を結ぶことは貸金業法違反に該当する恐れがあります。契約前に必ずノンリコースであることを確認してください。
ノンリコースが重要な理由
- 売掛先の倒産リスクから解放される — 売掛先が万が一倒産しても、追加の支払い義務がない
- 「債権の売買」としての性質に関わる — 金融庁のページで紹介されている裁判例でも、償還請求権の有無や不払いリスクの移転が考慮されています
- 規定だけで決まるわけではない — 金融庁は、貸金業に該当するかは形式的な要素だけでなく経済的側面や実態に照らして判断されるとしています
- バランスシートへの影響なし — 負債として計上されない
- 売掛先の倒産リスクから解放される — 売掛先が万が一倒産しても、追加の支払い義務がない
- 「債権の売買」としての性質に関わる — 金融庁のページで紹介されている裁判例でも、償還請求権の有無や不払いリスクの移転が考慮されています
- 規定だけで決まるわけではない — 金融庁は、貸金業に該当するかは形式的な要素だけでなく経済的側面や実態に照らして判断されるとしています
- バランスシートへの影響なし — 負債として計上されない
- 経営の安定性が向上 — 取引先の経営悪化による連鎖的な資金繰り悪化を防止
法律上の位置づけ
- 金融庁は、ファクタリングに関して以下の見解を示しています
- 金融庁は、ファクタリングを「法的には債権の売買(債権譲渡)契約です」と説明したうえで、経済的に貸付けと同様の機能を有しているものは「貸金業に該当するおそれがあります」としています
- 具体的には、譲渡した債権の回収を売主が行い、売主が集金できなかった場合に売主が債権を買い戻すこととされている取引などは、貸金業に該当するおそれがあるとしています
- また、貸金業に該当するかは、ノンリコースの規定があるかなどの形式的な要素だけでなく、経済的側面や実態に照らして判断されるとしています
金融庁は、ファクタリングに関して以下の見解を示しています。
💡 金融庁の見解
金融庁は、「一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。」と説明したうえで、「ファクタリングとして行われる取引であっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものは、貸金業に該当するおそれがあります。」としています。
具体的には、譲渡した債権の回収(集金)が売主に委託されており、売主が集金できなかった場合に、売主が債権を買い戻すこととされている取引や、売主自身の資金で支払わなければならないこととされている取引などは、「貸金業に該当するおそれがあります」としています。
また、「ファクタリングが貸金業に該当するかについては、契約書にノンリコース(売却した売掛債権等が返済不能になっても売却した事業者に返済義務は生じないこと)の規定があるかなどの形式的な要素だけでなく、経済的側面や実態に照らして判断されるものですので、注意が必要です。」としています。
ノンリコースの規定は重要な確認ポイントですが、それだけで安全とはいえません。金融庁のページでは、ノンリコースの規定が設けられていても、売主に債務の保証を求めているのに等しいといった事情から金銭消費貸借契約に該当すると判断された裁判例(東京地裁令和4年3月4日判決)も紹介されています。
契約時の確認ポイント
- 「償還請求権なし」「ノンリコース」と明記されているか確認。不明確な表現の場合は担当者に質問しましょう
- 「売掛先が支払わない場合は買い戻していただきます」という条項がないか確認。これがあればリコース契約です
- 会社名、所在地、代表者名、設立年月日が公開されているか。国税庁の法人番号公表サイトで法人番号を確認できるかもチェックしましょう
- ノンリコースの場合、ファクタリング会社がリスクを負担するため手数料はやや高め。逆に手数料が極端に低い場合は、実はリコース契約である可能性があります
1. 契約書の「償還請求権」条項を確認
「償還請求権なし」「ノンリコース」と明記されているか確認。不明確な表現の場合は担当者に質問しましょう。
2. 「買戻し条項」の有無を確認
「売掛先が支払わない場合は買い戻していただきます」という条項がないか確認。これがあればリコース契約です。
3. 運営会社の情報を確認
会社名、所在地、代表者名、設立年月日が公開されているか。国税庁の法人番号公表サイトで法人番号を確認できるかもチェックしましょう。
4. 手数料の妥当性を確認
ノンリコースの場合、ファクタリング会社がリスクを負担するため手数料はやや高め。逆に手数料が極端に低い場合は、実はリコース契約である可能性があります。
ファクタリング会社を選ぶ際は、「ノンリコースですか?」と直接質問し、契約書の条項とあわせて確認しましょう。明確に「はい」と回答し、契約書にも明記してくれる会社を選びましょう。曖昧な回答をする業者は避けるべきです。
— キャッシュガイド編集部
よくある質問
ノンリコース(償還請求権なし)とはどういう意味ですか?
ノンリコースとは、ファクタリングで売却した売掛金が万が一回収できなかった場合でも、利用企業が買い戻しや弁済の義務を負わない契約形態です。売掛先の倒産リスクはファクタリング会社が負担します。ただし金融庁は、貸金業に該当するかは「契約書にノンリコース(売却した売掛債権等が返済不能になっても売却した事業者に返済義務は生じないこと)の規定があるかなどの形式的な要素だけでなく、経済的側面や実態に照らして判断されるもの」としています。
リコース(償還請求権あり)の契約は違法ですか?
リコース契約自体は直ちに違法ではありませんが、金融庁は、売主が集金できなかった場合に売主が債権を買い戻すこととされているような取引は「貸金業に該当するおそれがあります」としています。貸金業登録のない業者がリコース契約を結ぶことは違法となる可能性があります。
ノンリコース契約かどうかはどこで確認できますか?
契約書の「償還請求権」または「買戻し義務」に関する条項を確認してください。ただし、金融庁は、ファクタリングが貸金業に該当するかについては「契約書にノンリコース(売却した売掛債権等が返済不能になっても売却した事業者に返済義務は生じないこと)の規定があるかなどの形式的な要素だけでなく、経済的側面や実態に照らして判断されるもの」としています。「ノンリコース」と書かれていても、売主が集金できなかった場合に買い戻しや自己資金での支払いを求める条項がないかなど契約全体を確認し、不明確な点は契約前にファクタリング会社や弁護士に確認しましょう。
まとめ
ノンリコース(償還請求権なし)は、ファクタリング契約において最も重要な確認ポイントのひとつです。ノンリコースであれば、売掛先が倒産しても利用企業に買い戻しや弁済の義務はありません。ただし、金融庁は、貸金業に該当するかは契約書の規定などの形式的な要素だけでなく、経済的側面や実態に照らして判断されるとしています。契約前には「償還請求権なし」の記載とあわせて、売主が集金できなかった場合の取り決めなど契約全体を確認し、不明確な場合は契約を避けましょう。手数料の安さだけに惹かれてリコース契約を結んでしまうと、借入と同じような負担を負うおそれがあります。